かにぱんクッキング

かにぱんには昔、仲間がいたよ!

もともと三立製菓では、関西を中心に「サンリツパン」という名前のパンを販売していました。
その後、ウサギやコアラ、パンダ、ボーリングのピンなど、いろいろなカタチのパンを作って販売していましたが、
1974年(昭和49年)にかにのカタチの「かにぱん」を販売。
愛らしいカタチと、ちぎって食べると適度な大きさになる食べやすさから人気になりました。

サンリツパン
通常のパンに比べ日持ちがし、糖分も多く、そのまま食べてもおいしいパンとして重宝されました。
ストライクパン
当時はボーリングブームで、ボーリングのピンの形をした「ストライク」ぱんがよく売れていました。
ランランカンカンぱん
日本に初めてパンダが来た際、三立製菓で発売した今はなき「ランランカンカンぱん」。おまけシール付き!

初代 かにぱん
初代かにぱんが登場。味だけではなくかわいさや、ちぎって食べることができる楽しさからロングセラー商品に。
うさぎぱん
うさぎの顔を型どったぱんが登場!

当初のヒットは「サンリツパン」
昭和の初めの頃、当社の商品ラインナップのメインはビスケットでした。
昭和12年、陸軍糧秣廠の要請でビスケットラインを使用して、カンパンの製造を始めました。カンパンはイースト菌を使ったビスケットの応用品です。そのイースト菌を利用する技術を生かして菓子パンの製造に着手しました。 そんな中で生まれたヒット商品が、昭和34年に発売された「サンリツパン」です。イースト菌を使って発酵させるサンリツパンは、通常のパンに比べ日持ちがし、糖分も多く、そのまま食べてもおいしいパンとして重宝されました。当時は今と違い、コンビニもありません。パンはパン屋さんで購入するほか、食料品店さんでの購入でした。
今ほど物流も発達しておりませんでしたので、パン屋さんから販売店さんへの配達頻度も高くありませんでした。そうした中、日持ちする「サンリツパン」は販売店さんからすれば使い勝手の良いものだったのだと思います。また、今のかにぱんに受継がれているやさしい味わいも、当時子供から大人まで広く受け入れられました。当時を知る方なら「サンリツパン」の存在はよく覚えている方も多いでしょう。レジャー施設の売店や、映画館、プール、野球場まで広く販売していましたからね。そういえば、野球場の後ろに看板を出したこともありましたよ。販売を重ねる中でサンリツパンをもとにした新商品の開発に着手しました。うさぎやタイなど、いろんな形の商品を作りました。

技術が産んだかにぱん
私が入社したのは昭和46年。当時はボーリングブームでしたので、ボーリングのピンの形で、ストライクという名前のパンがよく売れていました。そんな中生まれたのが「かにぱん」です。味だけではなくかわいさや、ちぎって食べることができる楽しさがロングライフ商品となっている所以でしょう。とにかくいろいろな意味でバランスがいいのです。そして、ビスケットと発酵技術がある当社だからこそできる商品でした。
かにぱんを語る上で欠かせないのが、10年ほど前に退社された有田八郎さんです。有田さんは研究所の3年先輩で、ご自分で型のデザインを作り、ブリキを叩いて型を作ったのです。かにぱんに入っている線はこの有田さんの発案です。
一般の方はわからないかも知れませんが、この線が入ることで、火が抜けやすく焼きむらができにくいのです。また、かにを表現するために複雑な型になっているのですが、複雑すぎると型抜きする時には抜けない型になってしまうのです。現在の方が技術が発達しているのでどんな型でもたいがいのものはできるのですが、試作したら抜けない...なんてこともたくさんあります。CADなどの技術も無く手ですべてを補っていた当時、焼きあがった時にふっくらと良い形になるかにぱんの型は、本当に素晴らしいものでした。加えて言うなら、生地を型抜きして作るぱんの中でも無駄になる部分が少なく、商品的にもメリットがあります。そんなかにぱんがヒット商品へと成長する中、業界は転換期を迎えていました。食品添加物を使って日持ちをさせていたのですが、それを無くし日持ちさせることが大きな命題となったのです。

時代に合ったかにぱんを
当社では昭和47年から着手。人工甘味料を使うとパンがふっくら仕上がりやすいのですが、それを天然甘味料と砂糖に置き換えました。これは、イースト菌の発酵に影響を与えてしまうので、分量をうまく調整し、かつ味も変えないように工夫をしました。そして、長期保存できるというかにぱんの特徴を無くしてしまわないような工夫も行いました。そこで採用したのが炭酸ガス充填方式です。しかし、これを思いついたまでは良かったのですが、大きな課題がありました。炭酸ガスは空気中に含有量が少なく、分子が非常に小さく、昔の包装フィルムでは、3日くらいで抜けてしまい、ペッチャンコになってしまう。当時こうした技術への挑戦は多くの企業で行われており、このタイミングでガスバリア性の高いフィルムが開発されたことで商品に採用が可能になりました。 こうしてかにぱんは、現在では当たり前となっているガス充填包装した三立製菓初めての商品となりました。 その後、天然甘味料も時代の流れとともに砂糖に置き換えました。かにぱんは、子供たちが食べるもの。とにかく安心して使用できるものにこだわって商品開発をしています。 実は...その後のかにぱんですが、味は少しずつ変えています(笑)
お客さんが食べても違和感がないように時代の嗜好にあった味に少しづつ変化し続けております。
三立製菓株式会社
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